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カブトムシ幼虫の育て方

カブトムシ幼虫の飼育は思ったより簡単。是非チャレンジしましょう。昔は採ってきたカブトムシを虫かごにそのまま入れ、スイカのようなものばかりを食べさせていましたが、すぐ死んでしまいました。今ではカブトムシを飼うための良い餌や飼う小道具も市販されており、個人でカブトムシを繁殖させることすらできるようになりました。そのせいか、成虫ばかりでなくカブトムシの幼虫もお店で手に入れることができます。

カブトムシの幼虫の育て方

カブトムシの成虫を雌雄で飼っていて飼育容器の中でメスが産卵した場合には、死んだカブトムシや木などを取り除き、入れてあるカブトムシ用の腐葉土が乾かないように時折湿らせて2ヶ月ほど様子を見ます。その間にカブトムシ幼虫は卵から孵化し、脱皮を繰り返してある程度の大きさまで育ちます。

その後、容器から土を全部あけてカブトムシの幼虫を取り出し、市販の幼虫飼育用の朽木マットを入れた別の容器に入れ替えます。カブトムシの幼虫は大食漢ですから、幼虫の数にもよりますが、容器は大きめなものを使いましょう。幼虫の時の餌が不足すると、小さなカブトムシになってしまいます。

買ったりいただいたりしたカブトムシの幼虫は、そのままだと容器が小さく餌が不足している可能性がありますから、朽木マットを多めに入れた、大きめの容器に移してやります。

朽木マット(発酵マット)はカブトムシ幼虫のベッド

朽木マットというのは正式名称は知りませんが、カブトやクワガタの幼虫飼育用にクヌギなどの朽木を砕いた特別のマットがあります。発酵マットとも呼ぶようですが、商品名はそれぞれのメーカーで異なっています。成虫の飼育用のマットとは違うのでご注意。例えば「くぬぎジャンボマット」というような商品名で市販されています。

このマットはカブトムシ幼虫の住みかでもあり、エサでもあります。自然界では日本のカブトムシは、クヌギ、カシや椎の木(いわゆるドングリ)、クリなどの木の枝や幹が地面に落ちて腐食した所に生育しています。それを市販のマットで代用しているわけです。おがくず(針葉樹が多い)では代用できませんのでご注意。

カブトムシ幼虫飼育用の朽木マット

カブトムシ幼虫を入れるマットの深さは10センチ以上確保してください。これよりも浅いと、カブトムシ幼虫が蛹になるための蛹室が作れず、地上で蛹になって干からびてしまいます。

カブトムシ幼虫の飼育の大きなポイントの一つが湿り気。朽木マットは、容器に入れる前にあらかじめ十分に湿らせておきます。乾いたまま入れてしまって、湿らせようと上から水をかけても、均一に湿ってはくれません。湿らせ具合は握った時に手の中で形が残る程度だそうです。カブトムシ幼虫は思った以上に湿った所を好むようです。ぱさぱさに乾いたマットに入れていると、ヘタをすると蛹になった時に干からびてミイラになってしまいます。

下が湿らせた朽木マットを敷き詰めた状態。思ったより多くの水が必要です。

カブトムシ幼虫を育てるための湿らせた朽木マットを敷き詰めた状態

表面にカブトムシ幼虫の糞が貯まったら糞を取り除き、朽木マットを足します。

我が家では朽ち木も拾ってきてカブトムシ幼虫の容器に入れています。下の写真は近くの公園で拾ってきたカシノキの枝です。時間が経って古くなったものを選んで拾ってきています。これを朽木マットの中に埋めたり、上に載せたりしています。

拾ってきた朽木を入れるようになったのは、カブトムシの幼虫の入った容器が乾燥しにくいようにと、拾ってきたわずかな朽木を水にひたしてマットの上においておいたところ、朽木の中にまでカブトムシの幼虫が侵入しているのを発見したからです。結構好きなようです。

カブトムシの幼虫を入れた容器は風通しが良くて日光が当たらない場所におきます。時折霧吹きで湿り気を与えます。ただし、びしょびしょになるほど水をかけすぎると土が腐り、カブトムシの幼虫も呼吸ができなくなって死んでしまうようです。

カブトムシ幼虫の冬越し

カブトムシの幼虫は冬になり、寒くなると動きが鈍くなり、餌もあまり食べなくなります。冬越しのモードに入ります。この時は、カブトムシ幼虫の入った容器を部屋の南側とか、暖房の入った部屋に置かず、寒いところに置きましょう。それが自然の状態に近いということです。

湿気の不足には気をつけ、土の表面が乾いてきたら、少し水をふって湿り気を与えます。

春になると

カブトムシの幼虫の育て方で重要なのは、冬を越した後からです。餌の量と、カブトムシ幼虫が蛹になるための準備を怠らないようにしましょう。

春になるとカブトムシの幼虫の動きは再び活発化します。餌が不足しがちになりますから、容器の上が糞でいっぱいになっているようなら、朽木マットを取り替えてあげましょう。この時全部一度に取り替えず、古いものを少し残しておくと良いようです。

翌年の5-6月頃にカブトムシは幼虫からさなぎになり、夏の初めに成虫になります。下の写真はカブトムシの終齢幼虫と、既に蛹化したものです。オスの角がもうはっきりと確認できます。おなかに乗っているのは、脱ぎ捨てた幼虫時代の皮です。

カブトムシの幼虫と蛹

カブトムシ幼虫には湿気が重要

不思議なことに、この年の我が家のカブトムシ幼虫たちは容器の上に出てきて、地面の上で蛹になったものが多いです。これは多分、土に湿り気が足りず、蛹室が作れなかったためではないかと思います。蛹室は土を塗り固めて作る部屋ですから、土が乾いていては崩れてしまって作れません。

どうもカブトムシ幼虫の飼育に、いじりすぎるのは良くないようです。大きめの容器にたっぷりと朽木マットを入れておけば、餌不足にはなかなかなりません。ただし、カブトムシの幼虫には湿り気が十分に必要ですので注意してあげてください。手で触って「湿っている」とわかるくらいに保つ必要があるようです。「こんなに湿っていていいの?」と思うくらいでちょうど良いようです。

天然のカブトムシ幼虫の場合

カブトムシの幼虫

上の写真は落ち葉堆肥の中のカブトムシ幼虫です。もちろん天然のカブトムシです。驚いたのは、落ち葉堆肥の中の湿り具合です。触ってみると、ぐっしょりと感じるほどでした。乾いた部分もあったのですが、そこにはカブトムシ幼虫はおらず、湿ったところに集中してごろごろと出てきました。自然の状況観察からも、カブトムシ幼虫の飼育には湿気が重要なことがわかりました。

小さめの容器にカブトムシの幼虫を入れると、餌が早く不足したり、土が汚れたりします。その都度土を取り替える必要もあり、カブトムシの幼虫にはストレスになります。また土が少ないと乾きやすく、また逆に湿り気を与える時には湿りすぎになりがちです。

小さめの容器、例えばペットボトルを使うような場合は1匹ずつ入れ、複数のカブトムシ幼虫を一緒に入れる場合には、段ボール箱など、大きな容器を使いましょう。カブトムシ幼虫の飼育に段ボール箱を使う場合には、湿気で段ボールが崩れないよう、大きめのビニール袋(ゴミ袋とか)を敷いて使うと良いようです。


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