ヌマエビの飼い方
メダカなどと一緒に水そうに入れておくと、コケや余ったエサなどをきれいに食べてくれるヌマエビ。水槽の中の脇役の感がありますが、どうしてどうして。ヌマエビを眺めても楽しいですし、慣れると人が餌をやっていることを覚え、「手乗りヌマエビ」になります。餌を手に持って水の中に入れると集まって来て、手の上に乗ってきますから、結構かわいいです。
ヌマエビにはヤマトヌマエビとミナミヌマエビがいて、ヤマトヌマエビは成長すると5センチ近くなりますが、ミナミヌマエビはせいぜい3センチどまり。ミナミヌマエビでもヤマトヌマエビでも飼育方法は基本的に同じです。ただし、ヤマトヌマエビは自宅で繁殖させるのが困難ですから、ここではミナミヌマエビを紹介しています。

ヌマエビを飼う準備
ヌマエビを飼うためにはまず水そうが必要です。観賞用ならばメダカや小形の金魚を飼う小さめのガラスやプラスチックの水槽が一つあればOK。透明なガラス瓶でもヌマエビがよく見えるので面白いかも。
繁殖用であれば、ヌマエビの数も増えますから、大き目の水槽か、発泡スチロールのトロ箱でも大丈夫です。
観賞用の場合は、水槽の底に砂を敷き、水草を植えると見栄えが良いです。一方繁殖用の場合は、下に砂や土を入れる必要は必ずしもありません。隠れ場所になる水草や、ホテイアオイを多めに入れてやりましょう。ヌマエビは雑食ですが、コケや水草などの植物も好んで食べますから、水草を入れておけばしばらく餌をやるのを忘れても、しっかり生きています。
ヌマエビを入れる水はもちろん塩素を抜いたものが必要です。水道水であれば、1週間程度汲み置きしておけば大丈夫。
ヌマエビの餌
ヌマエビの餌に特別なものはありません。メダカと一緒に飼うのであればメダカの餌を一緒に食べています。金魚の餌を与えてもヌマエビは喜んで食べますから、手に入りやすい餌を使えばOKです。
小さな生き物ですから餌の量を説明するのは難しいですが、適当にやってみて、その日餌が余っていなければ大丈夫。特に繁殖させたいときには、栄養をたっぷり取らせる必要がありますから、多めにえさを与えましょう。
ヌマエビ水そうの温度管理
ヌマエビは小さな生き物ですから、急激な温度変化や特に高温には弱いようです。購入したりしたヌマエビを水槽に移す場合には、ヌマエビの入った容器を水槽に入れ、温度を合わせてから水そうに移します。この辺りは、金魚などを飼う場合と共通ですね。
ヌマエビを繁殖させるためには「ぬるい水」が必要です。温度は20℃以上、25℃前後が良いように思います。一方、うっかり夏場などに小さめの水槽を陽が当たる場所に置いておくと水温はすぐに30℃を超え、茹でエビになってしまうのでご注意。春以降小さな水そうを一日中日が当たるような場所に置くのは厳禁です。
ヌマエビの繁殖
ヌマエビを繁殖させようと思ったら、最初からある程度の数のヌマエビを飼うようにしましょう。20匹くらいから始めれば大丈夫ではないかと思います。数匹から始めると、近親交配が進み、奇形が出たという話を聞いたことがあります。
ヌマエビは共食いすることはほとんどないようですが、水そうで濾過器を使っている場合には、特に生まれたばかりの小さなヌマエビが吸い込まれてしまうことがありますから要注意。
ヌマエビは母親が腹の下に卵を付けて泳ぐようになりますから、そのような個体だけ濾過器などのない別の水槽に移し、子どもヌマエビが少し大きくなるまで別に飼育するのも良いかもしれません。
ヌマエビと一緒に入れてはいけない生き物
ヌマエビをお分けしたら、「ヌマエビが一日でいなくなってしまった!」と言われた方がおいででした。聞いてみたら、フナやドジョウが入った水そうにヌマエビを入れたとのこと。ヌマエビは小さいですから、大きな魚などがいると食べられてしまうこともあります。
ドジョウがヌマエビを追っかけて食べたところを見たことがないのですが、口の前に偶然やってきたらそのまま吸い込むことはあり得ます。でも怪しいのはやはりフナです。すばしっこいフナに追われたら、ヌマエビはひとたまりもないでしょう。
金魚も和金など、動きの速いものだとヌマエビを追いかけて食べてしまう可能性があります。一方ランチュウのような金魚だと、速く泳げませんから、ヌマエビが捕まることはあまりないようです。
それでも、基本的にヌマエビを呑み込めるサイズの肉食・雑食の魚や水生動物とは一緒に入れないほうが良い、ということです。例えばイモリなども肉食性ですから、一緒の水槽に入れることは避けましょう。
ヌマエビの水槽の掃除
ヌマエビは小さな生き物ですから、糞の量も知れています。ただ、水槽の底に土や砂を敷いていない場合には、次第に糞が目立つようになります。気になったら掃除や水替えをしましょう。藻はヌマエビが食べてしまいますし、水自体が汚れることはあまりないようですが。
それ以外のごみとしては、ヌマエビの脱皮した抜け殻があります。これも観賞用などの場合には見つけたら取り除くほうが良いと思います。繁殖用に飼育している場合には、さほど気にすることはないと思います。